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なぜ人は鳥を見るのか

更新日:2020年10月10日

なぜ鳥を見ることを趣味にしているのか?

と聞かれることがたまにあります。一言で答えるには難しい質問です。


Birding at New Zealand

鳥はかわいい

きっかけは、「きれい!」や「かわいい!」だったのかもしれません。

人間は、本能的にフクロウのような、目が大きくて鼻や口が小さい形態のものをかわいいと思い魅力的に感じるように出来ていて、これを生物学的には「超常刺激」と言うようです。

これについて、もっと詳しく知りたい人は月刊BIRDER 2019年11月号掲載 鳥の形態学ノート #116[フクロウ 超かわいい](川口 敏, 2019)を読んでみてください。

例えば私は、こういった本能的な刺激を導入に、鳥を見始めたものと考えられます。


やがて「鳥見沼」へ

特定の趣味にハマって(没頭して)抜け出せなくなることと、沼にハマって(足を取られて)抜け出せなくなることをかけて、「沼にハマる」「○○沼」という使い方をするネットスラングがあります。

鳥を見ることは、まさにこの表現があてはまる類のものです。

知識や経験が増えるごとにその奥深さが見えてきて、さらに大きな世界が広がるということの連続で、終わりはありません。



趣味としての鳥の見かた

鳥を観察する、と言っても、色々な方法があり、色々な関わり方をしている人がいます。

庭にフィーダーを置いて、やってくる鳥をティーカップ片手に観察する人。

鳥の写真を撮影する人。

探鳥会という、詳しい人が先導して皆で鳥を見る会に参加する人。

鳥の数のカウントを楽しむ人。

ライフリストといって、見た鳥の種数を数えて楽しむ人。

それの居住国版を数える人。世界版を数える人。またはその両方を数える人。

識別の難しい鳥のグループにフォーカスして、年齢や換羽状況を考察する人。

調査を行い、その地域にどんな鳥が繁殖しているのかを調べる人。

鳥をとりまく環境の保全を行う人。


これらの中には、学術的な知識が必要なものがあり、分類学や生態学、形態学などの学問に直結する内容のものも少なくありません。

趣味と書きましたが、鳥を見ることを極めれば学問を会得することになり、例えば環境調査などのスキルを習得することにも繋がります。



底知れぬ鳥の魅力

地球上には、11,524種の鳥が生息する(あるいはしていた)と言われておりJosep Del Hoyo Ed., 2020)、このうち日本では600数十種の記録があります(日本鳥学会 目録編集委員会, 2012)。

これを世界のくくりで、あるいは日本のくくりで見ようと思っても、一生かかってもとても見尽くせるものではありません。

けれど、例えば私にとっては、これらを命の限り出来る限り見ていくことこそ、最高の楽しみなのです。



参考文献

BIRDER編集部 編,2019.BIRDER 2019年11月号.文一総合出版,東京.

日本鳥学会(目録編集委員会), 2012.日本鳥類目録 改訂第7版. 春恒社, 東京.

Hoyo, J. D., Ed., 2020. All the Birds of the World. Lynx Edicions, Barcelona.


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